1 相続手続きの流れ

 ここでは遺言がないことを前提とします。遺言については、こちらのページをご覧ください。

 相続人全員が判明しており、どのように遺産を分けるかの話し合いができている場合は、手続自体は難しいものではありません。しかし、相続人中に所在がわからない人がいたり、遺産分割協議がまとまらないといった事情がある場合は多くの時間と費用がかかる可能性があります。

2 相続人の確定

 相続人の確定は、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本を調査する方法で行います。戸籍から判明する相続人全員が想定の範囲内であれば良いのですが、そうでないケースもしばしばあります。

 代表的な事例としては、①配偶者に離婚歴があるのを知らず、先妻との間に子どもがいた場合です。この場合でも、現住所が判明しその相続人と連絡を取れるのであれば良いのですが、所在が不明であり連絡が取れないとなると手続的には大変になってしまいます。

 また、②死亡後長期にわたって手続きを取らず、その間に相続人が死亡することで相続人がさらに増えてしまう場合も相続人の範囲が想定外となってしまうことの一因です。この点については、令和6年4月1日から相続登記の申請が義務化されたことにより未登記のまま放置される事例は減少するかと思いますが、すでに未登記のまま相当期間が経過し、相続人がかなりの人数となってしまっている事例は相当な件数存在していると思われ、実際に手続をとろうとしても事実上限りなく不可能であるようなケースも見受けられます。

3 遺産分割協議

 相続人全員と円満に話し合いができるのであれば、当事者間で自由に内容を決めていただくことができます。遺言が存在する場合でも、相続人全員(もっぱら遺言で財産を取得する人)が了解するのであれば、遺言の内容とは異なる内容で遺産分割協議をすることも可能です。

 しかし、前述のように、所在不明の相続人がいる場合にはそのままでは協議自体できません。また、相続人全員と連絡が取れたとしても、各自の主張が強く、協議がまとまらないということもしばしば見受けられます。その場合には、遺産分割調停や審判といった裁判所を経てのお手続きが必要となります。

4 当事務所でお手伝いできること

①相続人確定のための戸籍等の調査

②相続財産確定のための預貯金・不動産の調査

③遺産分割協議書作成

④金融機関における口座解約・預貯金の払戻しや不動産の名義変更

上記以外にも、法律上認められた権限の範囲内でのお手続きを承ります。例えば、相続人間で争いがある場合、相続人のうちどなたか一人の代わりに他の相続人と話をするということはできません(当該行為は弁護士しかできません。)。しかし、中立的な第三者の立場で相続人の方々の意見調整をすることはできますので、ご不明な点がありましたらお問い合わせください。

5 必要書類

①被相続人についての書類

  1. 出生から死亡までの全ての戸籍(除籍・改製原戸籍)謄本
  2. 死亡時の住所を証する書面(住民票の除票(本籍地の記載のあるもの)・戸籍の附票)

②相続人についての書類

  1. 現在の戸籍謄本(被相続人の死亡後に取得したもの)
  2. 住民票(本籍地の記載のあるもの)
  3. 印鑑証明書

③その他

  1. 相続対象不動産の固定資産評価証明書(最新の年度のもの)

すべての書類は各1通ずつで足ります。相続人様の印鑑証明書以外は、ご依頼があれば当事務所で取得することも可能ですので、ご不明な点がありましたらお尋ねください。

6 費用

(1)相続登記

相続登記の費用としては、①登録免許税や戸籍取得等の実費と、②手続報酬に大きく分かれます。

①の登録免許税とは、不動産の名義変更を行う際に法務局に納める手数料のようなもので、ご自身で手続しても同じ金額がかかります。相続を原因とする名義変更の場合は、固定資産評価額に1000分の4をかけた金額となります。その他、戸籍取得や事前に登記内容を確認する費用が必要です。

②の手続報酬についてはご依頼内容によって異なるため、一概にお示しすることはできませんが、よくある事例では次のようになります。

:自宅の土地と建物(評価額合計1,000万円)を所有していた父が死亡。妻と成人の子2人が相続人で、遺産分割内容に争いがなく、戸籍等の必要書類を全てご用意いただける場合。

手続内容 報  酬 登録免許税等実費
相続登記一式 60,000円 40,000円
登記情報事前調査 1,000円 668円
完了後証明書取得 2,000円 960円
通信費   1,500円
小 計 63,000円 43,128円
消費税 6,300円  
合 計 112,428円

以下の事情がある場合には費用が増加します。ご不明な点はお問い合わせください。

  • 不動産を取得する相続人が複数人いる場合
  • 数回にわたって相続が発生している場合
  • 相続人が兄弟や甥・姪の場合
  • 相続人中に未成年がいる場合
  • 相続する不動産が多数にわたる場合
  • 申請先法務局が複数にわたる場合     など
(2)預貯金等名義変更・解約

相続財産の金額、金融機関の数や場所等により金額が異なります。ご不明な点はお問い合わせください。